外壁の打診調査はドローンでもできる?従来調査との違いと選び方をわかりやすく解説|YM企画・静岡県の特定建築物調査
📋 目次
1. 外壁の全面打診調査における建築基準法第12条の義務
特定建築物には、外壁の劣化状況を定期的に確認する義務があります。対象となる建物と実施時期を、ここで整理しましょう。
対象となる特定建築物
建築基準法第12条は、多数の人が利用する特定建築物に対して、定期的な調査と報告を義務づけています。対象となるのは、共同住宅・ホテル・店舗・事務所といった用途で、床面積や階数が一定基準を超える建物です。用途や規模の基準は自治体ごとに定められており、詳細は各特定行政庁が公表しています。分譲マンションや複合ビルなど、複数の用途が混在する建物は、判定が複雑になりがちです。調査を怠ると、外壁タイルの浮きや剥離に気づけないまま放置され、落下事故につながる危険が高まります。自分の建物が対象かどうか判断に迷うなら、まずは管理会社や専門業者に確認するとよいでしょう。
調査周期の目安
調査の周期は、竣工または前回の全面調査から、おおむね10年ごとが目安とされています。加えて、開口部の隅角部分や水平打継部など、手の届く範囲は別枠です。
外壁調査の実施タイミング
- 全面打診等調査:竣工または前回の全面調査からおおむね10年ごと
- 手の届く範囲の打診:6ヶ月から3年以内ごとの定期報告時に実施
10年の数字だけを覚えておくと、手の届く範囲の点検を見落としがちです。全面調査と部分点検、両方の時期を管理表などで把握しておくと安心につながります。
2. 打診調査とドローン調査の違い
外壁調査の方法は、大きく打診調査と赤外線調査の2つに分かれます。赤外線調査はさらに、地上からのサーモグラフィー撮影とドローンによる撮影に分かれるのが特徴です。従来の打診調査と、近年注目されるドローンによる赤外線調査を中心に、仕組みと制度上の位置づけを確認しましょう。
| 項目 | 打診調査 | ドローン赤外線調査 |
|---|---|---|
| 調査方法 | 打診棒・テストハンマーで直接打診 | 赤外線カメラで温度差を撮影 |
| 足場 | 必要 | 原則不要 |
| 制度上の位置づけ | 従来からの標準的な方法 | 告示改正により正式に認められた方法 |
| 向いている場面 | 凹凸が多い外壁・狭小地 | 平滑な広い壁面・足場費用を抑えたい建物 |
表の内容を踏まえて、それぞれの仕組みをくわしく確認しましょう。
従来の打診調査の仕組み
打診調査は、打診棒やテストハンマーで外壁を叩き、音の違いからタイルやモルタルの浮きを判定する方法です。軽い音がする部分は浮きの疑いがあり、重い音がする部分は健全と判断できます。調査には足場やゴンドラの設置が前提で、建物規模によっては工期が長引くのが特徴です。長年の実績を持ち、精度の高さで信頼されてきました。作業員の技量によって、調査結果にばらつきが出る点は打診調査の欠点の1つです。
ドローンによる赤外線調査の仕組みと制度上の位置づけ
ドローンによる赤外線調査は、無人航空機に搭載した赤外線カメラで外壁の温度差を撮影し、タイルやモルタルの浮き・剥離を検出する方法です。
📌 制度改正のポイント
平成20年の国土交通省告示第282号は、令和4年1月18日付の改正により、打診と同等以上の精度を持つ方法として、無人航空機による赤外線調査を認めています。以前は制度上の位置づけが曖昧な方法と見られがちでしたが、現在は打診調査と並ぶ正式な選択肢です。
法改正の経緯を知っておくと、業者から提案を受けた際にも安心して判断できます。
3. ドローン調査のメリットと限界
ドローン調査には、明確な利点がある一方で、知っておくべき限界も見過ごせません。
ドローン調査のメリット
ドローン調査の魅力として、足場が不要な点以外にも押さえておきたいポイントがあります。主なメリットは次の3点です。
ドローン調査の3つのメリット
- 足場・ゴンドラの設置費用が不要
- 高所作業を伴わない高い安全性
- 短期間で完了する工期
足場を組む従来調査と比べて、工期と費用を抑えられるうえ、テナントや入居者への影響も小さく抑えられます。特に稼働中の商業施設やホテルでは、足場による景観や動線への影響を避けられる点が評価されるようです。
ドローン調査のデメリットと注意点
利点だけではなく、ドローン調査には限界もあります。主な注意点は次のとおりです。
強風・雨天・強い日射など気象条件に精度が左右されます。操縦者の技術力や飛行許可など、運用面の確認も必要です。白色塗装や光沢のある仕上げなど、熱を反射しやすい外壁も判定が難しくなります。
過度に安全性だけを強調する業者には、注意したほうがよいでしょう。得意・不得意を正直に説明する業者を選ぶ姿勢が、調査の精度を左右します。事故率0%といった断定的なうたい文句を見かけたら、根拠となるデータを確認する視点も持っておきたいところです。
4. 自分の建物に合う調査方法の選び方
打診調査とドローン調査、どちらが適しているかは建物ごとに違います。判断のポイントを整理しましょう。
外壁材や形状から考える選び方
外壁の仕上げ材や建物の形状によって、向き不向きが分かれるでしょう。目安を表で確認しましょう。
| 建物の条件 | 向いている調査方法 |
|---|---|
| タイル張り・モルタル塗りで平滑な外壁 | ドローン赤外線調査 |
| 凹凸が複雑なタイル張り外壁 | 打診調査 |
| 飛行が制限される密集地・狭小地 | 打診調査 |
| 白色塗装や光沢のある仕上げの外壁 | 打診調査 |
| 広い壁面で足場費用を抑えたい建物 | ドローン赤外線調査 |
表はあくまで目安であり、実際の判断は現地調査を踏まえて専門業者と相談しながら決めるのが望ましい方法です。築年数が古く、複数箇所で劣化が進んでいる建物では、まず打診調査で全体像を把握したうえでドローンを組み合わせる進め方も検討できます。
打診調査とドローン調査を併用する選択肢
💡 併用という選択肢も
外壁全体をドローンでスクリーニングし、異常が疑われる範囲だけ打診で精密確認する、併用型の進め方も選択肢です。全面を一律の方法で調査するより、コストと精度のバランスを取りやすくなります。建物の規模や築年数、過去の調査履歴によって、最適な組み合わせは一律ではありません。
まずは専門業者に建物の状況を伝え、組み合わせ方を提案してもらう進め方が現実的です。
5. 静岡県内で外壁調査を行う際のポイント
静岡県内で外壁調査を行う場合、地域特有の確認事項もあります。
静岡県内の対象建物規模と報告時期
静岡県内でも、対象となる特定建築物の規模要件や報告時期は、国の基準に準じて運用されています。具体的な要件は年度によって見直される場合があるため、静岡県のホームページや特定行政庁の公表資料で最新情報を確認するのが確実です。次回の調査時期に迷う場合、コーセイ株式会社のような点検実績のある業者に、過去の報告履歴を踏まえて確認してもらう方法もあります。
報告先と相談窓口
定期報告書の提出先は、建物が所在する自治体の特定行政庁です。静岡県内の窓口名や提出方法は自治体によって異なるため、事前に電話などで把握しておくと安心につながります。調査から報告書作成、提出まで一貫して対応できる業者に依頼するのが得策です。
6. 調査方法の選定を専門業者に相談するメリット
調査方法の選定に迷ったときこそ、専門業者への相談が近道です。
業者選びで確認したいポイント
業者を選ぶ際は、次のポイントを確認しておきましょう。
業者選びで確認したい3つのポイント
- 有資格者:特定建築物調査員・建築士・赤外線建物診断技能師など有資格者が対応しているか
- 提案力:打診調査とドローン調査、両方の提案ができるか
- 一貫対応:行政への報告書提出まで一貫して任せられるか
上記3点を満たす業者であれば、建物の条件に合わせた調査方法を、根拠を持って提案してもらえます。逆に、調査方法を1つに決め打ちして勧めてくる業者には、判断の根拠を見極めておいたほうがよいでしょう。
コーセイ株式会社の外壁診断サービス
🌟 コーセイ株式会社の外壁診断サービス
赤外線調査と打診調査を組み合わせた外壁診断に対応しています。特定建築物調査員や赤外線建物診断技能師をはじめとする有資格者が、建物ごとの条件を踏まえて調査方法を提案する体制です。ドローンによる外壁診断は、現時点ではまだ正式なサービスにはなっていません。今後の提供を見込み、準備を進めている段階です。行政への報告書提出まで、一貫したサポートも受けられます。
調査方法の選び方に迷う段階から、まずは相談してみる価値があるはずです。
7. まとめ
外壁の全面打診調査には、従来の打診棒による方法のほか、地上からの赤外線調査やドローンによる赤外線調査もあります。赤外線調査は、地上・ドローンいずれの方法も制度上正式な選択肢です。建物の外壁材や形状、周辺環境によって、向いている方法は変わってきます。どちらか一方を選ぶのではなく、併用も現実的な選択肢です。
次回の調査時期が近づいていて、どの方法を選ぶべきか迷っている方や、静岡県内での報告先の確認に不安がある方も多いのではないでしょうか。
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