非常用発電機の疑似負荷試験とは?消防法の点検義務と実施の流れを解説
📋 目次
1. 自家発電設備(非常用発電機)の点検義務とは
停電が起きたとき、屋内消火栓やスプリンクラーポンプを動かし続けるのが非常用発電機の役割です。非常用発電機が「いざというとき動かない」状態では、設置している意味がありません。消防法はその機能を維持するため、定期的な点検と消防署への報告を義務として定めています。
消防法が定める点検の種別と頻度
点検は「機器点検」と「総合点検」の2種類に分かれます。
| 種別 | 内容 | 頻度 |
|---|---|---|
| 機器点検 | 外観や簡易な動作確認 | 6か月に1回 |
| 総合点検 | 実際に設備を動かして運転性能を確認 | 1年に1回 |
この総合点検の中で「運転性能の確認」として実施するのが負荷試験です。疑似負荷試験はその方法の1つとして位置づけられています。点検結果は消防長または消防署長への報告が求められます(消防法第17条の3の3)。報告頻度は建物の用途によって異なりますが、特定防火対象物(病院・百貨店など)は1年に1回、それ以外は3年に1回が基本です。
2018年の法改正で何が変わったのか
2018年6月、消防庁は負荷試験の実施周期に関するルールを改正しました(平成30年消防庁告示第12号)。改正前は年1回の負荷運転が必須でしたが、改正後は「予防的な保全策(燃料フィルター・潤滑油・冷却水などの定期交換)」を毎年実施することを条件に、負荷試験の実施周期を6年に1回まで延長できるようになりました。また、この改正で新たに「内部観察等」という点検方法も認められ、同様に6年に1回の実施で要件を満たせるようになっています。
6年延長を選んだ場合、毎年の予防的な保全策(燃料フィルター・潤滑油・冷却水などの定期交換)に加え、6年に1度は内部観察等(噴射ポンプやノズルの分解確認などの高度な作業)が必要となります。これらの費用を合算すると、毎年の疑似負荷試験を継続するよりも割高になるケースがほとんどです。どちらが適しているかは設備の状態や設置環境によって異なるため、専門家への確認をお勧めします。
2. 疑似負荷試験とは何か
「疑似負荷試験」という名前は聞き慣れないかもしれません。どのような試験で、なぜ必要なのかを整理します。
試験の目的と概要
疑似負荷試験とは、「疑似負荷装置(模擬負荷装置)」と呼ばれる専用機器を発電機に接続し、人工的に負荷をかけて運転性能を確認する試験です。定格出力の30%以上の負荷をかけた状態で一定時間連続運転させ、以下の3点を確認します。
疑似負荷試験で確認する3つのポイント
- 始動・電圧・周波数・出力の安定性
- エンジン内部に蓄積したカーボンの燃焼除去
- 消防署へ提出する点検記録の作成
非常用発電機のエンジン内部にはカーボン(すすや油分の堆積物)が蓄積しやすい状態があります。負荷のかからない空運転や、始動後すぐに止める短時間運転を繰り返すと、カーボンが溜まりやすくなります。定格出力30%以上の負荷をかけた状態で一定時間運転することでカーボンを燃焼除去でき、緊急時の確実な始動を維持できます。
実負荷試験との違いを比較する
負荷試験にはもう1つ、「実負荷試験」という方法があります。建物の実際の電気設備に切り替えて発電機を動かす方法で、かつては主流でした。現在は疑似負荷試験の方が広く採用されています。
| 比較項目 | 疑似負荷試験 | 実負荷試験 |
|---|---|---|
| 停電の要否 | 不要(館内無停電で実施) | 必要(商用電源を一時停電) |
| 所要時間 | 2〜3時間程度 | 半日〜1日 |
| 必要人員 | 2〜3名程度 | 5名以上 |
| 費用感 | 低め | 高め |
| カーボン除去効果 | 確実(30%以上の負荷を維持できるため) | 困難(建物負荷が30%以上を安定して保てないケースが多い) |
| 設置場所の制約 | 装置搬入困難なケースあり(屋上・地下) | 追加機材不要 |
病院・老人ホーム・ホテルなど「停電させられない建物」では、館内を通常運営したまま実施できる疑似負荷試験が現実的な選択肢です。費用を抑えながら消防法の要件を満たせる点も、広く普及した理由と言えます。
3. 疑似負荷試験の実施手順
「当日は何をするのか」「どれくらい時間がかかるのか」をあらかじめ把握しておくと、施設管理の段取りがしやすくなります。
試験当日の流れ
疑似負荷試験は以下の流れで進みます。所要時間は発電機の容量にもよりますが、2〜3時間が目安です。
試験当日の7ステップ
- 業者による事前調査・見積もりの確認
- 発電機の外観点検・内部状態の確認
- 疑似負荷装置の搬入・発電機への接続
- 発電機の始動確認(始動時間・電圧・周波数の計測)
- 定格出力30%以上の負荷をかけて30分以上の連続運転
- 各部の状態確認(温度・振動・異音・排気の色)
- 試験終了・疑似負荷装置の撤収・点検票の作成・消防署への提出
施設担当者が当日準備すること(発電機室へのアクセス確保・テナントへの事前案内など)は、業者との打ち合わせ時に確認しておくと安心です。
試験に必要な資格・業者要件
消防法上の点検は、誰でも実施できるわけではありません。以下の要件を満たした者が担当します。
| 資格・要件 | 内容 |
|---|---|
| 消防設備士または 消防設備点検資格者 |
消防法上の点検実施者として必須の資格 |
| 自家発電設備専門技術者 | 消防庁通達で定められた専門技能の保有者。一般社団法人日本内燃力発電設備協会が認定する専門資格 |
特に「自家発電設備専門技術者」の在籍有無が業者選びの大きな判断軸です。消防設備士の資格だけでなく、この専門技術者が在籍している業者かどうかを確認することが重要です。
4. 疑似負荷試験と内部観察等の使い分け
2018年の改正で「内部観察等」という選択肢が加わりました。疑似負荷試験と内部観察等のどちらが自分の建物に向いているかを判断するための情報を整理します。
内部観察等とは
内部観察等とは、エンジンのシリンダー・バルブ・ピストンなど内部部品を分解して直接点検する方法です。外から負荷をかける疑似負荷試験に対し、内部を直接目視・計測することで状態を確認します。発電機メーカーや専門技術者が実施し、点検後に整備報告書を作成します。6年周期の延長条件として認められており、疑似負荷試験の代替手段として選択できます。
どちらを選ぶべきかの判断基準
| 方法 | 向いているケース |
|---|---|
| 疑似負荷試験 |
・停電が難しい施設(病院・ホテル・老人ホームなど) ・機材の搬入が可能(配線の延長で対応できる場合も含む) ・毎年実施してトータルコストを管理したい |
| 内部観察等 |
・配線の延長(目安30m以上)が必要で搬入・設置が難しい場所 ・6年周期に変更してコストを平準化したい ・メーカー保守契約が結ばれており、整備実績が積み上がっている |
💡 屋上・地下でも疑似負荷試験ができる場合があります
屋上や地下に発電機が設置されている場合でも、配線を延長することで疑似負荷試験を実施できるケースがあります。配線の引き回し経路が30m程度以内であれば対応可能なことが多く、設置場所だけで「搬入困難」と判断せず、まずは業者に確認することをお勧めします。
5. 点検を適切に実施するための業者選びのポイント
疑似負荷試験は「消防設備点検の実績があれば誰でも依頼できる」わけではありません。発電機の専門技術を持つ業者かどうかの確認が必要です。
確認すべき資格・実績
業者選びの3つのチェックポイント
- 自家発電設備専門技術者の在籍:消防設備士だけでなく、この専門資格の有無を確認する
- 静岡県内での施工実績:対応可能な建物種別・件数を確認する
- 点検後のサポート体制:点検票の作成・消防署への提出代行・不具合発見時の対応までワンストップで担えるか確認する
コーセイ株式会社が選ばれる理由
コーセイ株式会社(静岡県伊豆の国市)では、自家用発電設備専門技術者3名・消防設備士10名・電気工事士6名が在籍し、非常用発電機の疑似負荷試験に対応しています。
🌟 コーセイ株式会社の「一社完結・ワンストップ対応」
消防設備点検から修繕・改修工事まで自社で一貫対応できるため、点検で不具合が見つかった際もスムーズに次の対処につなげられます。また、毎年の疑似負荷試験を継続することで、6年目に発生する高額な内部観察等を回避し、トータルコストを抑えるプランを提案しています。
6. まとめ:疑似負荷試験のご相談はコーセイへ
この記事のポイント
- 消防法により、非常用発電機は6か月に1回の機器点検・1年に1回の総合点検が義務付けられている
- 疑似負荷試験は停電不要・短時間・低コストで実施できる主流の点検方法
- 2018年の改正で内部観察等による6年周期の延長も可能になったが、費用だけで選ばず設備の状態に合わせた判断が求められる
- 依頼先を選ぶ際は、自家発電設備専門技術者の在籍と施工実績の確認が判断の軸になる
「そういえば点検をしばらく実施していない」「業者をどこに頼めばいいか分からない」という場合、コーセイ株式会社では静岡県内の建物・施設を対象に、現地確認から点検・報告書作成まで一貫してサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
非常用発電機の疑似負荷試験・消防設備点検のご相談はコーセイへ
静岡県内のビル・病院・施設の発電機点検に対応。
疑似負荷試験から点検票の作成・消防署への提出代行、不具合箇所の修繕工事までワンストップでお任せいただけます。
【相談・現地確認・お見積もりは完全無料】
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